介護経験者からのメッセージ
ワンちゃんの認知症は飼い主さんとのコミュニケーションが少なく、毎日の生活が単調な子のほうがなりやすい、ともいわれています。
これは人も同じようですよね。
普段から基本的な訓練をしてたくさん褒められたり、人と共に行動することはワンちゃんにとってよい脳の刺激となり、認知症予防となります。
サプリメントなどを使って普段から認知症にならないように心がけ、なってしまってからはペットにとっても飼い主さんにとってもストレスのない生活を送る方法について考えていくようにしましょう。
では、飼い主として、愛犬がボケてしまったらどのように接すればいいのでしょうか?
私自身、認知症ではありませんが、事故で下半身マヒになったラブラドール・レトリーバーの介護を10年近くしてきた経験がありますので、その経験をもとにお話ししたいと思います。
なぜ、自分のからだが思うようにならないのか?心身ともに非常に不安定な状態にあるのは飼い主だけでなく、犬も一緒なのです。
歳をとった愛犬が、おしっこを漏らしてしまったら大きな声で叱りつける。
しかし、こうしたことは、愛犬にしてみれば、何も悪気があってやったことではありません。
それだけに、大きなショックを受けるでしょう。
最愛の飼い主に嫌われたと思い込んで動揺するかも知れません。
若い頃は、たとえ叱られたとしても立ち直りが早く、ケロッとしていることもあったでしょう。
しかし、年老いて気が弱くなり、飼い主さんへの依存心が高まっていると、飼い主の感情の動きをまともに受けることになります。
飼い主さんに強く叱られると、ビクビクして情緒不安定になることもあります。
そのため、ますます萎縮して、歩き方がガクガクしておかしくなったり、租相をしてしまったりします。
愛犬にとっては、いくつになっても飼い主だけが頼りです。
年老いた愛犬に、若犬の頃と同じように何かを強制したり、服従させたり、我慢させることは難しくなってきていると認識すべきでしょう。
あなたの愛犬は、あなたの庇護がなければ生きられないのです。
温かく、忍耐強く、見守りましょう。
たとえ粗相をしたとしても、厳しく叱らないで下さい。
これまで以上に気を遭い、優しく声を掛けましょう。
必要であれば、からだを抱いて「怒っていない」ということを伝え、安心させましょう。