犬の認知症 症状の特徴
犬の認知症:円を描くようにぐるぐると歩き回る
ワンちゃんの認知症の特徴として、同じ場所で円を描くようにぐるぐると歩き回る、という行動があります。
高齢犬で足腰も衰えていますから、とぼとぼとしか歩くことはできませんが、目的もなく何時間でもひたすら前に進もうとします。
そして何かの拍子で部屋の角にぶつかったり、物のすき間に入ってしまうと、方向転換や後退することができないため、身動きが取れなくなって助けを求めて大声で鳴くこともしばしばあります。
歩くことを無理やり止めさせることはなかなか難しいことですし、止めさせたとしても大きな声で鳴きだすため、このような子の場合に最も良い方法は、気が済むまで一人で歩くことのできる施設を作ってあげることです。
お風呂マットのようなある程度強度があり、なおかつぶつかっても平気な柔らかい板状のものをつなぎ合わせて大きな円形のサークルを作り、その中をサークルに沿ってぐるぐると歩かせるようにするのです、そうするとぶつかる場所がないため、ワンちゃんは気が済むまで歩くことができ、歩き疲れればそのまま眠ってしまうでしょう。
小さなワンちゃんの場合は子供用の円形ビニールプールなどを使ってもいいでしょう。
犬の認知症の症状:異常な食欲
通常、歳をとってくると食欲は若い頃に比べてなくなってくるものですが、認知症になるとあげたらあげただけ食べるようになります。
若い頃は好き嫌いのあった子でさえ何でもばくばくと食べるようになることもあります。
しかし、食べても食べても太ることはありませんし、おなかを壊すこともめったにありません。
食べてもすぐに欲しがる子の場合は1日の食事量は変えずに食事回数だけを増やすようにしてみましょう。
認知症の症状:昼夜の逆転
認知症になると昼夜が逆転し、昼間は寝てばかりいるのに夜になるとずっと起きていていろいろなことをするようになります。
夜中に鳴き続けたり、歩き回ったりするようになるため、飼い主さんにとっては非常にストレスになってしまいます。
昼夜が逆転している子に対しては、なるべく昼間に起こし体を動かしておくことが大切です。
こまめに声をかけて寝かさないようにし、人が構って運動をさせたり刺激を与えるようにしましょう。
真夏以外は、日中なるべく日光を浴びさせるようにすることも体内時計を正常に戻す助けとなります。
認知症の症状:吠え続ける
飼い主さんが最も困る認知症の症状は「吠え続ける」ことです。
体が濡れた、前に進めない、嫌なことをされた、といって吠え始めた時には、その原因を取り除いてあげれば良いでしょう。
また、自分の体が思うように動かない時や寂しい時に吠え続けることがあります。
そんな時は優しく体をなでながら声をかけて気持ちを落ち着かせてあげることも大切です。
しかし、飼い主さんが止めに入っても吠えることをやめずに、夜中でもかまわず吠え続ける場合があります。
そうなると、近所迷惑となるばかりか、飼い主さんの負担も大きくなってしまいます。
そのような時は動物病院へ相談してみましょう。
EPAやDHAのサプリメントで症状がある程度軽くなる可能性があります。それでも治まらない時は必要に応じて鎮静剤を処方してくれることもあるでしょう。
認知症の症状:理解力の低下
認知症になるといろいろなことを忘れてしまったり、今まできちんとできていた躾ができなくなってしまうことがあります。
今まで学習した行動ができなくなったり、飼い主さんのことや自分の名前さえ忘れてしまうことがあります。
今までトイレの失敗をしなかった子がいろいろな場所で粗相するようになってしまうこともあります。
このような場合、消毒剤や消臭剤を使って常に環境を清潔に保つ努力が必要となります。
場合によってはペット用オムツを使用することによって飼い主さんの介護が楽になることもあります。